幸せは家族それぞれだからこそ私たちは注文住宅をつくっているわけですが、安全や健康は多くの家族に共通して幸せに欠かせないものなのではないかと思います。そして、家が安全であることは当たり前です。私たちは安全を先に進め、健康をもたらす家づくりにこだわっています。
自然素材にこだわる理由。
創業者 松田沢弘は、一般的な人工建材でつくられた家で過ごした結果、子どもを含め家族中が何らかのアレルギー疾患になってしまいました。この経験が、松田工務店が自然素材の家をつくることにしたきっかけです。アレルギー疾患の発症メカニズムはまだ完全には解明されていないようなので、人工建材の家がアレルギー疾患の原因だと結論することはできません。しかし、少なくとも花粉症やアレルギー性鼻炎の人が自然素材の空間に入ると、症状が和らぐことはよく知られています。
また、近年主流の高気密住宅に人工建材を用いると、人工建材から揮発する化学物質が家の中に高濃度でとどまりやすく、シックハウス症候群を起こすリスクがあります。シックハウス症候群になると、頭痛やめまい、吐き気などに苦しむことになります。これでは幸せになれるはずがありません。
ですから、私たちは目に見える表面の仕上材だけでなく、接着剤や塗装剤といった目に見えない細部まで自然素材にこだわり続けているのです。その結果として、私たちは標準仕様でホルムアルデヒド対策等級で最高の3を取得しています。
柱や梁など、構造材として使っている自然素材。
桧(ヒノキ)
耐久性に優れ、芳香と木肌の美しさが魅力の日本が世界に誇る木で、世界の針葉樹の中で最も優れた材であると言われています。桧は伐採してから200年間は強くなり、その後ようやく1000年間かけて徐々に弱くなると言われています。実際に桧で建てられた法隆寺の塔は1300年経った今も維持されています。ヒノキ風呂などとして楽しまれる香りの成分は気分を落ち着かせる効果があり、その他にも抗菌効果などをもつ物質が多く含まれていることが知られています。構造材としては、土台や大引、通し柱などに使っています。
画像出典:http://www.mokuzaikako.com/contents/wood_34.html
杉(スギ)
あたたかな風合いや美しさのある木で、心材である赤身は腐れや蟻に強く、強度もあります。正倉院では、1300年経った今でも宝物の鮮やかな色が失われずに残っていますが、これは、保管に用いられている杉の箱によるためだと言われています。実際、杉には調温作用や調湿作用をはじめ、二酸化窒素濃度やホルムアルデヒドの他、オゾンや二酸化窒素など宝物を劣化させるような物質を吸着する機能があることが知られています。構造材としては、管柱や梁、桁などとして使います。
画像出典:http://www.mokuzaikako.com/contents/wood_19.html
米檜葉(ベイヒバ)
色と香りが日本3大美林の1つ青森ヒバに近いのでヒバの名が付けられましたが学術上はヒノキ属です。アラスカ州からオレゴン州にかけて分布しています。耐朽性が極めて高い、つまり、とても腐りにくい性質があるため、土台や大引などとして使います。また、強い抗菌作用を持つヒノキチオールも含まれています。
画像出典:http://www.mokuzaikako.com/contents/wood_41.html
米松(ベイマツ)
針葉樹の中では重くて強いのが特徴です。時間が経つにつれ美しい飴色に変化します。日本ではベイ”松”と呼ばれていますが、実はマツ属ではなくトガサワラ属に属します。長い材料が取れ、曲げ応力に強いため、桁や梁などとして使います。
画像出典:http://www.mokuzaikako.com/contents/wood_42.html
壁や天井など、仕上材として使う自然素材。
漆喰
消石灰(水酸化カルシウム)を主成分に、骨材、すさ(麻)、海藻のりなどを混ぜて練り上げた仕上材で、壁や天井に使います。実は、このウェブサイトの白い背景にも漆喰の写真を使っています。調合や塗り方を変えることで色や質感を様々に変えられる点や、光の反射が柔らかくなりリラックスしやすい空間にできることなどがデザイン的な魅力です。
漆喰は、よく「呼吸する壁」と呼ばれるように調湿効果があるので、余分な湿気を吸収し、カビやダニなどのハウスダストの発生を抑えるアレルギー疾患持ちには特に優しい素材です。また、漆喰は不燃材料として建築基準法の中で認められています。もし火事になったとしても、火が部屋全体に燃え広がりづらい特性を持っています。
ビニールクロスの方が安価ではありますが、経年劣化が進みやすく、結局、定期的に張り替える必要があります。 一方、漆喰は長い時間が経ってもほとんど見た目の変化がありません。また、お子様が壁に落書きした場合、ビニールクロスならその面を張り替えないといけませんが、漆喰であれば落書きの上に漆喰を上塗りするだけです。ちょっとした汚れであれば、消しゴムできれいに消せてしまいます。
珪藻土
藻類の一種である珪藻の殻の化石からなる土です。最近はバスマットとして使われている方も多いように、殻の無数の小さな穴により高い調湿作用があるため、漆喰同様に、余分な湿気を吸収し、カビやダニなどのハウスダストの発生を抑えるアレルギー疾患持ちには特に優しい素材です。主に壁に使います。
聚楽(ジュラク)
主に京都西陣にある聚楽第跡地付近で取れる土です。この土は質がとても良く、京都西陣のごく限られた場所からしか見つからない貴重な土と言われています。聚楽土を使った聚楽壁は、実に美しい土肌で、和の趣をもたらします。和室との相性は抜群です。機能的にも、湿度を整えてくれたり、防火性や吸音性、断熱性など様々な利点があります。主に壁に使います。
越前和紙
主に越前市今立地区(旧今立町)でつくられている、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)、麻(あさ)、綿などの植物を原材料とする和紙です。繊維が長いため薄くても強靭で寿命が長く、独特の風合いと調湿効果が特徴です。直射日光を柔らかくし、リラックスできる空間に変えてくれます。壁や天井に使います。
国産杉
仕上材としては板目使いが多く、木目は少し賑やかです。木目で使うと赤白が混ざり新築時には統一感が得られなくなるので避けるようにしています。高価にはなりますが、数寄屋造りなどでは白杢天井板を使うこともあります。壁や天井に使います。
米杉(レッドシダー)
水に強く外壁などに古くから使われている北米産の木です。杉に似ているため「米杉」と呼ばれていますが、実際はヒノキ科ネズコ属です。除湿や脱臭効果があるのでシューキーパーとしてもよく使われています。柔らかく加工しやすいのに加え、若干の色むらによって面白い表情が出るため壁や天井によく使います。
国産桧
仕上材としては柾目と板目の両方で壁や天井に使い、おとなしく柔らかい印象が出せます。詳しい説明は上述の構造材としての桧でしたので省略します。
台湾桧
亜熱帯・熱帯気候のため降雨量が豊富で、3,000m級の山々が多いと地理的な特徴をもつ台湾で育った檜は、目も込んでいて美しい木目が特徴の高級木材です。日本では木曽にある樹齢450年が桧の最高齢ですが、台湾では樹齢2,000年に達する桧が生息しています。台湾桧には強い抗菌作用を持つヒノキチオールが非常に多く含まれていて、害虫もめったに近づきません。
香りも長く続き、部屋をリラックスできる空間にしてくれます。台湾桧は、日本の主要な神社仏閣の大径材を用いた主要構造部位にもよく使われており、明治神宮の鳥居からは今でも桧の香りがすると言われています。当社の「自然素材の資料館」の一部にも台湾桧を使っています。
ただ残念ながら、台湾では1992年に天然材が全面伐採禁止となり、台湾桧は非常に貴重な木材となっています。当社が長年お付き合いさせて頂いている台南の製材所の林社長は、日本で眠っている台湾ヒノキを、「台湾の宝を集めるんだ」といって逆輸入しているほどです。
米松(ピーラー)
ヤニが出るのが難点ですが、素直で真っ直ぐな柾目なので、柾目で使うことで美しい統一感をつくれます。詳しい説明は上述の構造材としての米松でしたので省略します。
接着剤や塗装剤など、その他の自然素材。
接着剤や塗装剤など、その他の自然素材。
蜜ロウワックス
ミツバチの巣の蝋を精製したものと植物油でつくられた、木材に塗布するワックスです。木のコントラストを高め、木目の表情をより豊かに引き出してくれます。
オスモ
ひまわり油、大豆油、アザミ油それとカルナパワックス、カンデリラワックスといった植物油からできた、ドイツ生まれの自然塗料です。ウレタン塗料のように表面に塗膜を張るのではなく、内部に深く浸透することによって木の呼吸を妨げません。
ユーロ
天然植物油、ミツロウワックス、弁柄等、天然素材を使用した自然塗料です。ヒノキチオールを成分として含む、ヒバ油を配合する事により、抗菌性があります。
ウォールボンド100
壁紙などの接着に使う、でんぷん系接着剤です。